【都市開発】宅地開発の「制度の空白」と上尾駅周辺の未来を問う

9月24日、上尾市議会9月定例会の一般質問に登壇しました。
今回の大項目1では、「開発と住環境の調和」をテーマに取り上げました。
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一般質問の様子はYouTubeでもご覧いただけます。
▶「開発と住環境の調和 ~宅地開発の『制度の空白』とは?住環境と駅前開発誘導を問う~」
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住宅やマンションの建設は、まちの活力や新たな人口の流入につながる大切なものです。一方で、開発の進め方によっては、ごみ集積所、道路、排水、交通など、以前から地域で暮らしている皆さんの生活に直接影響が及ぶことがあります。
今回は、実際に市民生活への負担が発生した事例から現在の開発制度の課題を確認するとともに、後半では視点を広げ、これからの上尾駅周辺をどのようなまちにしていくのかについて質問しました。
宅地開発で、これまで使っていた「ごみ集積所」がなくなった
今回取り上げたのは、上町2丁目で進められている宅地分譲です。
もともとマンションが建っていた土地には、周辺住民が利用していたごみ集積所がありました。しかし、マンションの解体後に土地が宅地として分譲される過程で、この集積所がなくなりました。
周辺で調整した結果、別の集積所を利用できるようになった方がいる一方、調整がつかなかった6世帯については、毎月6,600円を自己負担し、民間事業者による個別回収を利用しているとのことです。
同じ市内で生活しながら、ごみを出すために継続的な負担が生じている。
私は、この問題を単なる個別トラブルとして終わらせるのではなく、「なぜ開発前に防ぐことができなかったのか」という視点から検証する必要があると考えました。

市が開発計画を把握できないケースがある
質問を進める中で明らかになったのが、市がすべての宅地開発を事前に把握できるわけではないという点です。
市街化区域では、原則として500㎡未満の一定の開発は都市計画法上の開発許可の対象外となります。また、更地を分筆して販売するだけで、道路新設や造成などの「土地の区画形質の変更」に該当しなければ、そもそも都市計画法上の開発行為に該当しない場合もあります。市からも、法令上の手続きが必要なく、事業者から事前相談もない場合には、計画を把握することは実務上困難との答弁がありました。
しかし、行政手続きの対象外であっても、実際に住宅が複数建てば、ごみ、排水、道路、工事車両など周辺環境への影響は生じます。
ここに、今回私が問題提起した「制度の空白」があります。

「事前届出・協議制度」の検討を提案
そこで私は、都市計画法上の開発許可の対象にならない場合でも、一定規模以上の宅地分譲や建築行為については、市が事前に計画を把握し、必要に応じて関係部署との協議や近隣住民への説明につなげる仕組みを検討するよう提案しました。
市からは、こうした「事前届出・協議制度」には、トラブル防止や良好な住環境形成の面で一定の効果が期待できるとの認識が示されました。その一方で、対象規模や事業者負担、制度の実効性などを整理する必要があるとして、他自治体の導入効果や課題について情報収集し、制度のあり方を調査研究していくとの答弁がありました。

開発そのものを否定するのではありません。
大切なのは、新しく住宅を購入する方、以前から暮らしている住民、開発を行う事業者のいずれにとっても、後からトラブルにならない仕組みをつくることだと考えています。
開発は「規制」だけではなく「誘導」も重要
質問の後半では、視点を「開発をどう規制するか」から、「望ましいまちの姿へどう誘導していくか」へ移しました。
取り上げたのは、私の地元でもある仲町・愛宕地区の地区計画です。

この地区計画は平成2年に策定され、商業と住宅が混在していた地域で、建物の共同化や住環境、防災性の改善などを進めてきました。上尾市の公式資料でも、仲町愛宕地区地区計画の当初決定日は平成2年3月1日とされています。
一方で、策定から36年。商店の状況、土地利用、人口構成、住宅需要、建築コスト、建物の老朽化など、地域を取り巻く環境は大きく変わっています。
市に確認したところ、「策定当時の目的や将来像そのものが、現在のまちづくりに適合しているか」という抜本的・全体的な検証はこれまで行っていないとの答弁でした。
私は、36年前につくられた計画を否定するのではなく、これまでの成果を検証した上で、現在の地域の状況とこれからの上尾駅周辺の将来像に合っているのかを確認する時期に来ているのではないかと問題提起しました。
10年、20年先の「上尾駅周辺」をどう描くか
さらに質問では、上尾駅周辺全体のまちづくりについて踏み込みました。
市は、10年、20年先の上尾駅周辺について、商業・業務などの都市機能を維持・集積し、多様な世代が集い、にぎわいと利便性が共存する街並みを目指すとの考えを示しました。現在の上尾市都市計画マスタープランも、市の都市計画・まちづくり分野の基本となる計画として位置付けられています。
そうであるならば、個々の土地で建替えや開発が行われるたびに個別対応するだけではなく、駅周辺全体を一つのエリアとして捉え、将来の都市構造を描くことが必要です。


「上尾駅東口周辺まちづくり基礎調査」を提案
そこで今回、
「上尾駅東口周辺まちづくり基礎調査」
の実施を提案しました。
土地利用、建物の築年数、地権者の意向、歩行者動線、商業機能、公共空間、交通環境、住宅需要などを客観的に整理した上で、市民・地権者・商業者などと地域の将来像を共有していくものです。
これに対し市からは、地域の現状を客観的に把握し、関係者間で共有することの重要性が示され、上尾駅東口だけでなく中心市街地である駅周辺の将来像を描くため、産官学民が連携して将来像を共有できる検討の場を設けていきたいとの答弁がありました。
これは今後の上尾駅周辺を考える上で、重要な答弁だと受け止めています。
「起きてから対応する」まちづくりから、その先へ
今回の一般質問で取り上げた二つのテーマは、一見すると別の問題に見えるかもしれません。
一つは、住宅開発によってごみ集積所の問題が発生した、身近な生活環境の課題。
もう一つは、上尾駅周辺の土地利用や都市機能をどう誘導していくのかという、将来の都市設計の課題です。
しかし、共通しているのは、開発が行われた後に問題へ対応するだけではなく、その前に将来像を描き、必要な仕組みを準備しておくことが重要だということです。
私は今回、市民生活への影響を把握できる開発制度の整備と、上尾駅周辺を面的に捉えたまちづくりの必要性を提案しました。
今後予定されている都市計画マスタープランの議論や、立地適正化計画、地区計画なども連動させながら、市民生活を守る視点と、まちの将来をつくる視点の両方を持った都市政策につなげていくことが重要だと考えています。今回の質問では、最終的に「戦略的都市設計」の推進を求めました。
まとめ ―「開発を止める」のではなく、「まちの未来を設計する」
今回の一般質問を通じて私が伝えたかったのは、開発そのものを否定するのではなく、開発によって生じる影響を事前に把握し、市民生活を守りながら、より良いまちの姿へ誘導していくことが必要だということです。
私は、これからの上尾市には、「問題が起きてから対応する行政」から、「課題を予測し、将来像を描いて先回りするまちづくり」への転換が必要だと考えています。
そのためにも、開発時の事前届出・協議のあり方を検討するとともに、上尾駅周辺について土地利用や建物、商業、交通、歩行空間などの現状を客観的に把握し、市民・地権者・事業者などと将来像を共有していくことが重要です。
都市計画マスタープラン、今後検討される立地適正化計画、地区計画をそれぞれ別々の制度として考えるのではなく、一つの「上尾の将来像」を実現するための政策としてつなげていく。
身近な生活環境を守ることと、上尾駅周辺の将来をつくることは、別々のテーマではありません。
今暮らしている人が安心して住み続けられ、これから上尾を選ぶ人にとっても魅力あるまちをつくる。その両方を実現するため、これからも現場で生じている課題を政策につなげ、上尾市の「戦略的な都市設計」を具体化していきたいと思います。
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一般質問の様子はYouTubeでもご覧いただけます。
▶「開発と住環境の調和 ~宅地開発の『制度の空白』とは?住環境と駅前開発誘導を問う~」
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