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【コラム】なぜニューヨークは頂点に立てたのか ~NBAが教えてくれた「エース」の力~

  • 執筆者の写真: Yuya Koike
    Yuya Koike
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分
NYK優勝

サッカーのワールドカップが開幕しましたね。


世界中が熱狂する中、私が毎日のように追いかけていたNBAは、ファイナル第5戦でニューヨーク・ニックス(NYK)が勝利し、2025-2026シーズンの幕を閉じました。


正直、バスケットボールファンとしては少し寂しい気持ちです。毎朝起きて試合結果をチェックする習慣が終わってしまうわけですから。


でも、それ以上に思うことがあります。


「今年のプレーオフ、本当に最高だったな」

ということです。


OKCの連覇を信じていた


実は私は、今シーズンはオクラホマシティ・サンダー(OKC)が連覇すると思っていました。

ここ7年間、NBAは毎年違うチームが優勝しています。それだけ各チームの実力が拮抗している時代です。


そんな中でもOKCには他のチームにはない魅力がありました。派手なスター軍団というより、とにかくチームとして完成されている。全員が守れて、全員が走れて、誰が出ても戦力が落ちない。

試合を見ていても、「このチーム、本当にまとまっているな」と感じる場面が何度もありました。


だからこそ、今年こそは王朝の始まりになるのではないかと期待していました。


実際、1回戦もカンファレンスセミファイナルも順当に突破。ところが西カンファレンスファイナルでSASに3勝4敗。


あと一歩届きませんでした。


シリーズ終盤になるにつれ、OKCには明らかに疲労が見えていました。


特にシュートの精度。

「あれ?普段なら決まるよね?」

というシュートが何本も外れる。


一方のSASは違いました。

ウェンバンヤマ、フォックス、キャッスルはもちろんですが、若い選手たちが試合を重ねるたびに自信をつけていくのが見ていて分かるんです。


プレーオフ特有の勢いというのでしょうか。

最終的にはOKCがその勢いに飲み込まれたように見えました。


正直、ファイナル前はSAS優勢だと思っていた

プレーオフが始まる前から、「今年は西高東低」と言われていました。


実際、私もそう思っていました。


ファイナル前の時点で予想しろと言われたら、8割くらいの人はSASが勝つと答えたのではないでしょうか。


ところが、フタを開けてみると全く違いました。

成長していたのはSASだけではなかったんです。

NYKもまた、プレーオフを勝ち上がる中で別のチームになっていました。


そして流れが変わったのは、第1戦と第2戦。

敵地で連勝した瞬間でした。


あの時、NBAファンの間に確実に別の空気が流れ始めました。


「もしかしたら本当にニューヨークが優勝するかもしれない」


そんな空気です。


もし優勝すれば53年ぶり。

歴史的瞬間です。


第4戦は今でも信じられない


今回のシリーズを象徴する試合を一つ挙げるなら、私は迷わず第4戦を選びます。


NYKはホームで一時29点差をつけられました。

29点差ですよ。


普通なら終戦です。

ましてや世界最高峰のプロリーグです。


そんな逆転劇は漫画でもなかなか描けません。


・・・


ところが、起こったんです。


NYKがひっくり返した。

会場全体が異様な熱気に包まれていました。


でも後から振り返ると、あれは奇跡ではなかったのかもしれません。東カンファレンスファイナルでもDET相手に22点差を逆転しています。


さらに驚くべきことに、ファイナルでの5勝は全て逆転勝利。


つまり、このチームは追い込まれてから本領を発揮するチームだったんです。


だから見ている側は毎試合心臓が持たない。


でも気付けば夢中になっている。

そんなシリーズでした。


なぜNYKだったのか


OKCも強かった。

SASも強かった。

戦術も選手層も素晴らしかった。


それなのになぜ最後に頂点へ立ったのはNYKだったのか。


私はずっと考えていました。


そして辿り着いた結論があります。


それはチーム力の差ではありません。

「エース」の差です。


ジェイレン・ブランソンという存在


OKCにはSGAがいます。

SASにはウェンバンヤマがいます。

どちらも間違いなくリーグを代表するスーパースターです。


それでも今回のプレーオフで最も印象に残った選手は誰かと聞かれたら、私は迷わずジェイレン・ブランソンと答えます。


少し大げさかもしれませんが、どこか96-97シーズン頃のマイケル・ジョーダンを思い出しました。


SGAは最高のクラッチシューターです。


ウェンビーは未来のNBAを背負う選手です。


それでもシリーズ終盤になると、どこか慎重さが見えました。


しかしブランソンだけは違いました。


点差が開こうが関係ない。


残り時間が少なかろうが関係ない。


中へ行く。


外から打つ。


ファウルをもらいに行く。


とにかく攻め続ける。


「俺が決める」

という覚悟が画面越しにも伝わってきました。


そして実際に決めてしまう。


だからチームメイトも信じる。


観客も信じる。


街全体が信じる。


そんな空気を作っていました。


NBAは組織論にも通じる


試合を見ながら、私はふと思いました。

これってスポーツだけの話ではないな、と。


会社でもそうです。


地域活動でもそうです。


自治会でも、商工会議所青年部でも、消防団でも同じです。


理想を言えば全員がエース級の組織が一番強い。

それは間違いありません。


でも現実はそう簡単ではない。


実際には、一人の圧倒的な存在が組織全体を引き上げることがあります。


その人がいるから挑戦できる。


その人がいるから諦めない。


その人がいるから周りも自信を持てる。


そんな経験は、多くの人が人生のどこかでしているのではないでしょうか。


今回のNYKは、まさにそんなチームでした。


絶対的なエースが最後まで諦めない。

だからチームも諦めない。


29点差でも戦い続ける。


苦境に立っても前を向く。


そして最後に勝ち切る。



今年のNBAプレーオフは、そんな「エースの力」と「組織の力」の関係を改めて教えてくれた気がします。


最高のシーズンでした。


そして53年ぶりの頂点に立ったニューヨーク、本当におめでとう!

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