先日は、社会科の授業の中で行った「未成年模擬選挙」を受けて、生徒の皆さまから貴重なご質問・ご意見を頂戴しましたこと、暑く感謝申し上げます。ご意見・ご質問をいただいた生徒の皆さまもいらっしゃいましたので、回答集を作成させていただきました。
上尾中学校の生徒の皆さまが、さまざまな実体験を通してさらに成長していくこと、また常日頃から教育現場の最前線でご尽力いただいおります教職員の皆さまのご健勝・ご多幸をご祈念しております。
※今回いただいたご意見・ご質問の回答は、直接中学校にもお届けさせていただきました。
(1)障がいのある方のことを考えた政策もしてほしいなと思っています。
多様性を認め合う時代において、障がいをもつ皆さんへの支援は仰る通りますます重要になると私も考えています。特に大きく二つ取り組むべきと考えているのが、①障がい者の皆さんの就職支援、②障がい者の災害発生時の支援です。
①についてですが、障がい者の皆さんにも「生きがい」をもってもらうことが重要です。その上で「働く」という行為は、自分が社会に存在していることが実感できる大切な手段であると考えます。しかし、障がい者の方に仕事を提供する効果的な取り組みについては、多くの企業でいまだ手探りの状態です。私も上尾で会社も経営しておりますので、自身でもできることがないか考えたいと思っています。
また、②についてですが、災害が起こった際に特別な支援が必要となる
のが、高齢者や障がい者などの「要配慮者」と言われる方々への対応です。要配慮者の皆さまには、設備の面で通常の避難所では対応が難しい局面があることから、発災時は「福祉避難所(老人ホームなど)」に避難してもらうことになります。しかし、駅周辺では福祉避難所が設置されていない地区もあり、上尾市としても今後課題になると考えています。こうした障がいをもつ方を取り巻く課題も多く存在することから、私としても解決策を日々研究していきたいと思います。
(2)水上公園の跡地をどのようにするのか意見を聞かせていただきたいです。
まず、水上公園の跡地には「スポーツ科学拠点施設」が整備されることが決まっており、令和7年以降に工事がスタートする計画があります。これは主にプロスポーツ選手やプロのトレーナーの育成、スポーツに関わる研究や住民の皆さんの健康を増進できる施設です。まだ計画段階ですが、学校の水泳授業でも使用できるプールや5,000席規模のアリーナ(バレーやバスケなどの屋内プロスポーツの試合が見られるようになると思います)、ランニングコースや子どもたちが遊べる広場などが設置される予定です。尚、水上公園は元々上尾市ではなく「埼玉県」の持ち物になるので、計画は全て埼玉県が策定します。
とはいえ、立地しているのは上尾市内になりますので、「上尾市民にとって」魅力ある施設にしなければならないというのが私の考えです。私のビジョンの中でも書かせていただきましたが、上尾市は元々「スポーツのまち」として有名だったまちでもあります。まさに水上公園跡地の整備はスポーツのまちとして上尾のブランド力を高めるチャンスですので、上尾市に住む皆さんが気軽にスポーツ科学拠点施設を利用しやすい環境やルールづくりを、行政を通して埼玉県に要望していくのが私の仕事であると考えています。
(3)イヌ・ネコの殺処分についてどうお考えなのか聞かせていただきたいです。
埼玉県では令和12年度までに犬や猫の殺処分ゼロを目指しています。それを受けて上尾市でもさまざまな取り組みがされており、現在私が注力的に取り組んでいる課題でもあります。特に、「飼い主のいない猫」に対するお問い合わせは私が受けている市民相談の中で現在2番目に多い状態で、野良猫の数がここ数年でかなり増えている、かつ糞尿被害による苦情も上尾市に多く寄せられているようです。
こうした不幸な猫を生まないために重要なことが「不妊・去勢手術」になります。繁殖を防ぎながら、飼い主のいない猫を確実に新しい飼い主さんに譲渡することで確実に殺処分は減っていきます。しかし、不妊・去勢手術をするにもお金がかかります。そして自分のペットでない動物にお金をかけて手術する人は多くありません。そのため、上尾市では飼い主のいない猫を捕まえて不妊・去勢手術に協力いただいた方に対して、助成金をお支払いする仕組みがあります。
そして問題解決のため、現在私が今取り組んでいるのは、①不妊・去勢手術の啓蒙を図ること、②地域の保護猫ボランティアさんとの交流や連携の機会を増やすこと、③保護猫を譲渡できる場を多くつくること、の3つです。殺処分ゼロに向けて、まずは私自身がアクションをしていこうと思っていますので、引き続きこの犬・猫の問題に注目してもらえると幸いです。
(4)「スポーツのまち」ということを中学生にも分かるくらい大きく広めていってほしいです。
上尾市は昭和42年に埼玉国体が開催されたことを皮切りに、昭和51年「スポーツ都市宣言」を行いました。そして、令和4年に「スポーツ健康都市」と宣言を改定したという歴史があります。今でも高校の体育祭や学生のスポーツ大会の多くが上尾運動公園で開催されていることは多くの方が認識しているものと思います。
しかし、上尾シティハーフマラソンの魅力を市外に十分発信しきれていない現状や、水上公園の跡地に令和7年度以降に整備予定の「スポーツ科学拠点施設(プロスポーツ選手やプロのトレーナーの育成、スポーツに関わる研究や住民の皆さんの健康増進を目指す施設)」の周知不足など、まだまだ課題が多くあると私も感じています。いただいたご意見を踏まえ、スポーツのまち上尾の価値を多くの人に広められるよう市内外のPR施策についても改善できるよう行政に対して提案してまいります。
(5)精神的不安が生じる各種問題への対策とはどのような対策をするのですか。
上尾市において住民の皆さんにとって一番不便を感じている問題が「交通渋滞」であると私は考えています。
渋滞の影響というのは、市民の皆さんの貴重な時間を奪うことで経済的な損失が出たり、環境への負荷も発生します。また、万が一渋滞により救急車や消防車などの救急車両が通行できなかったり、車両が渋滞を避けるため生活道路に侵入することで交通事故が発生したり、バスなどの公共交通が時間通りに来なかったりすると、みなさまは不安に感じるのではないでしょうか。
そして、私が特に重点的に取り組んでいるのが、イオンモール上尾や上尾駅東口の駅前の渋滞問題です。信号の切り替え時間を調整するなど対応をしてもらっていますが、根本的な解決にはつながっていないため、やはり道路の車線を増やしたり、交差点を拡幅したり大掛かりな対策が必要と考えています。非常に解決が難しい問題ですが、皆さんにとってさらに住みやすい上尾市をつくるために市内交通渋滞の解消に向け引き続き取り組んでいきたいと考えています。
さらにいつ起きるか分からない「災害に対する不安」も、精神的な不安を感じる要因であると思います。これに対しては事前の備えが非常に重要で、上尾市では住民参加型の避難訓練や防災訓練の実施を進めております。令和6年度も各地区で実施がされますので、是非機会があれば参加してみてはいかがでしょうか。
(6)市民の皆さまと対話を通じた政策立案をするという内容が書かれていましたが、中学生の意見も聞いてくださるということでしょうか。
はい、もちろん皆さんの意見もお伺いさせていただきたいと思っています。特に、学校生活の一番の当事者は生徒の皆さんですので日々感じることがあれば意見交換をさせていただきたく考えております。皆さまが作成してくれた「まちをより良くするための取り組み」についても、母校にお伺いした際に是非拝見させていただきます。
(7)厳しい財政状況を乗り越えるために市税収入以外に、より詳しい取り組みは考えていますか。/ 厳しい財政状況を乗り越えられるように今のシステムを見直すなど、改善できるようにしてほしいです。
まず大前提として、財政状況を改善するために必要なことは、「必要なところに、適切な額のお金を投じること」です。できるだけ無駄な費用が発生しないようにチェックをすることが議員の最も重要な仕事になります。
しかし、現在の上尾市は自由に使えるお金が昔と比較して少なくなってきている現状があり、「収入」を増やすことも考えていかなければなりません。皆さんからお預かりしている市税以外にも、市のお金を増やす方法はたくさん存在します。例えば、「ふるさと納税」という仕組みがあります。これは応援したいまちに寄附を行っていただくことで、その代わり「返礼品」を受け取ることができるというものです。魅力ある返礼品を用意できれば日本国内の方から多くの寄附を受けることができますが、逆に市内の方が他のまちに寄附をしてしまうと、収益が減ってしまうというデメリットもあります。上尾市は現在このふるさと納税の収支が赤字となっており、この赤字額を少なくするだけでもお金を生み出すことができますので、改善のためさまざまな施策を提案していこうと考えています。
また、上尾市では「あげTube」というYouTubeアカウントを持っており定期的に動画による広報を行っています。動画が視聴されることによる広告料が入る仕組みも実装がされましたので、魅力あるコンテンツをつくっていくことも重要な取り組みであると考えています。
他にもさまざまな取り組みが検討できると考えますので、引き続き「必要な取り組みにお金をまわす」「市の収入を増やす取り組みを強化する」の2軸で行政に対して提案をしていこうと思っております。
(8)「自然」について上尾市をどうするか考えはありますか。
上尾市は都市機能と自然のバランスのとれた住みやすさがPRポイントの一つであると考えています。東の原市沼川周辺や西の丸山公園周辺は自然に溢れており、国内でも珍しい動植物がいるエリアもあります。しかし、都心からの好立地という上尾市のもう一つのPRポイントも最大限に活かしていく必要もあるため、「駅周辺は住宅地、郊外は自然」というように、地区ごとに役割を決めてまちづくりを進めていくことが、今後非常に重要になると考えております。
また、気候変動への対策としても自然を守っていくことは非常に重要です。上尾市では令和3年に「セロカーボンシティ推進宣言」を表明しており、2030年までに二酸化炭素排出量を2013年度比で46%削減すること目標に取り組みを進めています。省エネ・再エネ・新エネなどの取り組みと平行して、「残すべき自然を守る」という視点でも行政のチェックを行っていきたいと思います。
(9)4つのビジョンの他に考えていることはありますか。
今回4つのビジョン以外にも次の3項目についても注力施策としております。
① 気候変動への対策
上尾市は令和3年に「ゼロカーボンシティ推進宣言」を表明しており、2030年までに二酸化炭素排出量を2013年度比で46%削減することを目標にしています。地球温暖化はまちの持続性を脅かすものであり、他の自治体同様本市も早急に取り組んでいくべき課題です。再エネ・省エネ・新エネや公共施設の脱炭素化・電気自動車の普及など実施可能な施策が多く存在すると考えてますので、私自身も知識を深めながら推進してまいります。
② 防災・減災への取り組み
元旦に発災した能登半島地震のように、さらに激甚化する災害に対してより実効的な取り組みを実施していく必要があると考えています。市でも住民参加型の避難訓練を令和6年度は拡充する方針ですので、是非機会があれば参加してみてください。また、発災時の高齢者や障がいのある方が避難する福祉避難所についても、まだまだ議論の余地があると思いますので、発生し得る問題に対してどのような解決策を講じることができるのか研究してまいります。
③ 最新テクノロジーの活用推進
上尾市でも様々なテクノロジーを活用した職員の皆さまの働き方改革を進めています。合わせて、ITを活用して市民の皆さまが市役所に来庁する必要がなくなるような仕組みも徐々に検討が進みつつあります。今後さらにテクノロジーの発達が進むことで、市内の渋滞問題や災害時の情報伝達など今のまちの課題を直接的に解決できる取り組みも実装できるようになる可能性も踏まえ、最新の情報を市に届けていけるよう情報収集に努めたいと考えています。
(10)コミュニティを強化するために、どのような支援をしているのか教えてください。/上尾市は人と人との関わりが少ないと思うので、市での関わりを作れるイベントを行ってほしいです。
地域のコミュニティを強化するためには、人と人とが交流しお互いを知っている状態を目指すことが重要です。そのために、地域の行事やイベントは最も身近で参加しやすいコミュニティ活性化の施策であると考えます。私はこれまでの議員活動を通じて、コロナ禍において多くのイベントが制限されたことで失われてしまった地域の絆の復活に向けて、市内各所の種イベントに対して市として適切に支援を行うことを要望してまいりました。
そして、本市では上尾夏まつり、上尾シティハーフマラソン、上尾産業祭など年間を通して本市には大きな行事がありますし、地区ごとの住民が主体となってお祭りやリサイクル、芋煮会、餅つき大会などさまざまな行事も行われています。私自身議員活動とは別に、こうした行事を運営する団体にも所属しています。一人の市民として、イベントのお手伝いをさせていただくことで市民の皆さま一人ひとりが、地域との繋がりを感じることができるよう引き続き努めてまいります。生徒の皆さまにも、是非市内の大きなイベントはもちろん、自分の住んでいる地区で行われている行事に積極的に参加し、地域のために活動されている大人の皆さまと交流を深めていただけますと幸いです。
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