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Yuya Koike

【財政】上尾市 令和3年度一般会計決算「不認定」~今の市財政運営に必要なこと とは~

 9月議会では、令和3年度の決算審査がありました。令和3年度も令和2年度同様、新型コロナの影響が歳入面において限定的であった事に加え、法人市民税が業種によって戻りつつある状況となったことで国·県交付金が余剰した結果、過去最大の繰越金が発生することとなりました。また、一部の一般会計補助金利用について疑義があったため、令和3年度決算については不認定となりました。今後、市政においては改善策を議会に提示することとなります。


 不認定の理由としては、余った補助金を予算内の範囲で積み増して使用した事業があったことによるものです。実際、本事案については予算内での活用のため、法律的には問題はありませんが、問題となのはコロナ禍の臨時財政運営方針が示され、補助金が一律10%カットされていたにも関わらず、庁内の共通認識にそぐわない補助金利用があったことです。今回の不認定という議会の決断は「税金」の使い方に関する執行部のモラルハザードを起こさないための今後の予防策でもあります。ただでさえ、市財政の状況は、実質単年度収支ベースでみると、コロナ前までは赤字状態であり、貯蓄の取り崩しなどで資金繰りをしていました。つまり、自由に活用できる原資が少ない状態でした。市財政が通常モードに戻った令和4年度以降は、よりシビアに実効性ある施策を判別し、事業予算配分の最適化に努めていく必要性が高まると考えられます。

 

実質単年度収支の推移(市データより小池作成 単位:千円)

                   ⇦ ❶コロナ前 ❷臨時財政運営方針 ⇨


❶ コロナ前までは実質単年度収支がマイナスの状態。

❷ 臨時財政運営方針期間は、国・県からの多額の交付金+コロナの影響が想定より出なかったことから大幅黒字。令和4年度以降はコロナ前の水準に戻る可能性あり。


※ 実質単年度収支は、単年度収支に黒字要素となる基金(貯金)積み立て額等を加え、赤字要素である基金(貯金)引き出し額を差し引いたもの。 単年度収支は黒字でも実質単年度収支が赤字なら、貯蓄の取り崩しなどにより資金をやりくりしていることになります。

 

 小池が所属している上尾同志会の会派報でも触れていますが、「子育て」や「高齢者支援」等の市民サービスをより強化するためには、市財政の持続性を高める必要があります。


 現在の市政はおよそ800の事業を行っていますが、「継続すべきもの」「予算の執行率が低く効果が表れていないため廃止すべきもの」「効果は表れていないが投資的観点から継続すべきもの」といった仕分けを部局横断で取り組まなければなりません。そのためには、客観的な効果検証方法を確立することが重要であり、継続・非継続の明確な判断基準の策定が必要です。

 また、上尾市の財源は、国や県の交付金に頼っている状態で、様々な自主財源確保が令和5年度以降課題になることは、ほぼ間違いないと言えます。とはいえ、社会情勢に鑑みると市税の増額は市民の家計圧迫に繋がるため、現時点では避けるべきと考えます。そのため、「新規事業支援」「企業誘致」による法人市民税拡大や「広告収益拡大」等の新たな財源確保策を幅広く検討しなければなりません。今回、一般質問で取り上げたYouTubeも導入が進めば財源確保の一助となると思われます。


 今回の決算結果から、会派として「政策大綱・令和5年度予算要望」を81項目に渡り作成しました。さらに市民還元効果の高い政策を実現できるよう、引き続き声をあげてまいります。

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